屋根の雨受け（雨樋）とは？役割・種類・素材・メンテナンスまでわかりやすく解説 - 長野県長野市の雨漏り修理・屋根工事専門店｜しろくまペイント

住宅の屋根に設置されている「雨受け」とは、正式には「雨樋（あまどい）」と呼ばれる部材のことを指します。
雨樋は、屋根に降った雨水を集め、効率よく地上の排水設備に流すことで、家を水の被害から守る大切な役割を果たしています。

雨樋が果たす4つの重要な役割

●屋根から流れ落ちる雨水を集めて排水する

雨水をそのまま地面に流すと、建物の周囲に水たまりができやすくなり、泥跳ねによる外壁汚れの原因にもなります。

●外壁への雨水のかかりを抑える

壁面に直接雨が当たるのを防ぐことで、外壁の劣化を遅らせる効果があります。

●基礎への水侵入を防ぎ、シロアリ被害対策にも貢献

地面に直接落ちた雨水が基礎に染みこむと、構造体の劣化やシロアリの繁殖につながる可能性があります。

●屋根や庭周りの景観・快適性を保つ

雨音の軽減、泥の跳ね返り防止など、快適な生活環境の維持に一役買っています。

雨樋の主な種類と構造｜軒樋・竪樋など複数部材の組み合わせで構成される

雨樋は単一の部品ではなく、いくつかの要素を組み合わせて成り立っています。
形状や取り付け場所によって役割が異なり、それぞれの名称と機能を理解しておくことで、リフォームやメンテナンス時の判断がしやすくなります。

雨樋を構成する主な部材

●軒樋（のきどい）

屋根の軒先に沿って水平に取り付けられる部分。

屋根から落ちる雨水を最初に受け止める役割を持ちます。

●竪樋（たてどい）

軒樋で集めた雨水を下へと導く縦方向の樋。

建物の外壁に沿って設置され、地面の排水口や雨水マスへと繋がります。

●集水器（呼び樋）

軒樋から竪樋へ水を導く接合部。水の流れを円滑にする要のパーツです。

●エルボ・継手

樋同士を角度調整して繋ぐ部品。雨樋が曲がる部分や連結部に使われます。

雨樋の素材別の特徴と選び方｜耐久性・コスト・美観から比較

雨樋にはさまざまな素材があり、それぞれに特徴があります。
使用環境や予算に応じて選ぶことで、より長持ちし、快適な住まいづくりが可能になります。

主な雨樋の素材

●塩化ビニール（PVC）樹脂製

軽量で施工がしやすく、コストも安価。住宅の多くで使われています。

紫外線に弱く、長期間の使用で色あせ・ひび割れが起きることも。

●ガルバリウム鋼板・ステンレスなどの金属製

高い耐久性・耐候性を持ち、重厚感のある外観に仕上がる。

初期コストは高いが、長期的にはメンテナンス頻度が少ないため経済的ともいえます。

●銅製雨樋

寺院や伝統的な建物に多く見られる。経年変化による緑青（ろくしょう）が美しいとされる。

非常に高価だが、美観性と長寿命に優れる。

雨樋のメンテナンスと注意点｜不具合を放置すると大きな被害につながる

雨樋は建物の外部にさらされているため、風雨・紫外線・落ち葉などの影響で徐々に劣化していきます。
以下のような症状が見られたら、早めに対処しましょう。

よくある不具合とその原因

●樋の変形やたわみ

強風や積雪、経年による劣化が原因。

●継手の外れ・水漏れ

地震や外的衝撃、施工不良によるもの。

●詰まりや流れの悪さ

落ち葉やゴミがたまることで、排水機能が低下します。

定期点検・メンテナンスの目安

●目視点検は年1〜2回が理想

●落ち葉の多い秋や、台風・豪雨の後には詰まりのチェック

●樋のズレ・割れ・金具のサビなども定期的に確認

まとめ｜雨受け（雨樋）の正しい知識で住宅を長持ちさせよう

雨樋は目立たない存在ではありますが、家全体の劣化を防ぎ、快適な住環境を守るために欠かせない設備です。
素材選びや取り付け箇所ごとの役割を理解することで、リフォームや補修時にも適切な判断ができるようになります。

「最近、水の流れがおかしい」「外壁が濡れる」などの兆候がある場合は、雨樋の不具合が原因かもしれません。
トラブルを未然に防ぐためにも、定期点検とメンテナンスを忘れずに行いましょう。