コストか耐久性か?どう選ぶ屋根葺き替えと屋根カバー工法を比較
2025年4月3日更新
「屋根のリフォームを考えているけれど、屋根葺き替えと屋根カバー工法のどちらが自宅に合っているのか分からない……」とお悩みの方は少なくありません。
特に、家屋の耐久性や安全性を保つうえで、屋根の状態をチェックし、最適な方法で改修を行うことは非常に重要です。
しかし、工法や費用、耐久性などを正しく理解していないと、せっかくリフォームをしても満足のいく結果に結びつかないケースもあります。
本記事では、屋根葺き替えと屋根カバー工法について、具体的なメリット・デメリットや費用相場、工期の違いなどを詳しく解説します。どちらを選ぶかは屋根の劣化状態や予算によって大きく異なりますので、ぜひ最後まで読んで最適な方法を見極めてください。
事例も織り交ぜていますので、屋根リフォームを検討中の方は参考にしてみてください。
屋根葺き替えと屋根カバー工法の基本を理解しよう
屋根葺き替えの基礎知識
屋根葺き替えとは、既存の屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材を一から葺き直す工法を指します。
古い屋根材を取り除くため、下地のコンディションや腐食状態を直接チェックしながら施工できるのが大きな特徴です。
万が一、屋根の下地が劣化していたり雨漏りで傷んでいたりしても、葺き替え工事なら根本的な部分から補修・交換することが可能です。そのため、屋根の劣化が深刻な場合や長期的に屋根を安心して使いたい場合に、屋根葺き替えは非常に有効な手段となります。
屋根を一新することで建物の外観を大きくリフレッシュでき、耐用年数や耐久性の向上も期待できます。
コストは屋根カバー工法よりも高くなりがちですが、それは撤去作業や廃材処理費用が含まれること、また下地の修繕が必要なケースが多いからです。
長期的に見ればリフォームのサイクルが長くなる可能性があるため、初期費用以上の価値を得やすい選択肢でもあります。
特に築年数が古い家屋や雨漏りなどの不具合が顕著な場合には、屋根葺き替えが安心につながるでしょう。
屋根葺き替えが向いているケース
屋根葺き替えが向いているケースとしては、屋根に深刻な劣化が生じている場合が挙げられます。
たとえば、雨漏りが長期間続いていて下地部分が腐食している、表面の屋根材が割れたり欠けたりして補修が追いつかない、といった状況では葺き替えが最適解になりやすいです。
なぜなら、既存の屋根材をすべて取り外すことで下地から新たに施工し直せるため、根本的に問題を解消しやすいからです。
また、築年数が長く、これまでにほとんどメンテナンスを行っていなかった家屋にも適しています。
屋根の傷みが全体に及んでいる場合は部分的な補修では限界があるため、徹底的にリニューアルしておくほうが長期的には安心感を得やすいでしょう。
予算にゆとりがある方で長期的にメンテナンスの手間を減らしたい方や、外観を一新することで家の印象をガラリと変えたい方にもおすすめです。
将来的なリフォームコストを抑えたいという考えがある場合は、一度に大きく手を入れる屋根葺き替えを選択するメリットは大きいと言えます。
屋根カバー工法の基礎知識
屋根カバー工法は、既存の屋根材を撤去せず、その上から新しい屋根材を重ね葺きする施工方法です。
一般的には、まず既存の屋根の上にルーフィング(防水紙)を新たに敷き、その後軽量の金属屋根材を被せて固定します。
撤去作業がほとんど必要ないため、工期が短く、廃材処理費用も抑えられるのが大きなメリットです。
さらに、カバー工法に用いられる屋根材は軽量な金属製が多いため、建物への負担も比較的少なく済みます。
既存の屋根を下地として活用することで、外気温や雨音を和らげる効果が期待できることもあり、断熱や防音面でも一定のメリットがあります。
ただし、あくまで既存の屋根上に被せるだけですので、屋根の下地が大きく傷んでいたり、すでに雨漏りなどの重大なトラブルが発生している場合には適さない場合があります。
そうした場合にはまず下地部分の補修が必要であり、結果的に葺き替えのほうが適していることもあるのです。
屋根の状態によっては非常に合理的な工法ですが、耐用年数や下地の状況をしっかりと専門家と相談することが重要です。
屋根カバー工法が向いているケース
屋根カバー工法が向いているケースとしては、比較的軽度な劣化や、屋根材そのものに大きな損傷が見られない場合が挙げられます。
例えば、築年数がそこまで古くない家屋で、目立った雨漏りも起きていないが、屋根材の色褪せや表面の汚れが目立ってきたのでリフォームを検討している、という状況ではカバー工法が効果的です。
また、工期や費用を抑えたいというニーズがある場合にも向いており、実際に既存屋根の撤去作業が不要な分、廃材の処理が少なくなるため総合的なコストダウンが期待できます。
とりわけ、カラーベストやスレート屋根、板金素材の屋根で、まだ下地が良好な状態の場合には、カバー工法を選択することで短期間で屋根をリニューアルできるメリットが大きいです。
雨漏りの心配がない状況で予算を少しでも節約したい方や、今後のメンテナンスコストを抑えつつ屋根の見た目を一新したい方におすすめです。
ただし、既に雨漏りや下地の腐食が進んでいる場合にはカバー工法の施工自体が難しくなるため、まずは専門家に診断してもらい、その上で最適な工法を検討する必要があります。
屋根葺き替えと屋根カバー工法の比較表
下記の表では、屋根葺き替えと屋根カバー工法それぞれの工事内容やメリット・デメリットなどを簡潔にまとめています。ど
ちらが自宅に適しているかを判断するための目安にしてください。
項目 | 屋根葺き替え | 屋根カバー工法 |
---|---|---|
工事内容 | 既存の屋根を撤去して新しい屋根材を葺く | 既存の屋根材の上に新しい屋根材をかぶせる |
適した屋根状態 | 深刻な雨漏りや下地の劣化がある場合 | 下地に大きな損傷がなく、軽度の劣化にとどまる場合 |
費用相場 | 高め(撤去費・廃材処分費・下地補修費などが加算されやすい) | 抑えやすい(撤去作業が少ない分、廃材処理費用などが軽減) |
工期 | やや長め(撤去作業や下地補修のため) | 短め(既存屋根を活用するため撤去作業が少ない) |
耐久性・安心感 | 下地から交換するため長期的な安心感が得られる | 下地を残すため屋根材の重ね葺きとなり、下地の劣化状況次第では耐久性にばらつきが出ることもある |
メンテナンス周期 | 長め(新品の屋根材を使用し、下地までリニューアルしているため) | 比較的長持ちするが、下地の状態が元々劣化しているとメンテナンスが早まる可能性がある |
外観の変化 | 屋根材を全面的新調するため、建物の外観を大きく変えられる | カバーした部分のみ外観が変わるが、既存屋根の形状・傾斜に合わせた仕上がりとなる |
廃材の量 | 多い(既存屋根をすべて撤去するため) | 少ない(既存屋根の上に新しい屋根をかぶせるだけ) |
向いている人の例 | 「雨漏りなどで根本的に直したい」「予算に余裕がありしっかり改修したい」「築年数が古く全体的に劣化が著しい」 | 「コストを抑えたい」「短期間でリフォームしたい」「下地がまだ良好なので上からかぶせたい」 |
コスト・工期・耐久性などを徹底比較
屋根リフォームを検討する際に、最も気になるポイントの一つが「コスト」です。
屋根葺き替えの場合、既存の屋根材を撤去して廃材を処分し、新しい屋根材に交換するため、どうしても費用が高くなりがちです。特に、下地が傷んでいる場合は補修費用も追加で発生するため、総合的に見て金額は屋根カバー工法よりも高額になりやすいです。
しかし、高い費用をかける分、屋根そのものを根本的にリニューアルできるため、結果的にメンテナンスの回数が減り、長期的には費用対効果が高いと感じる方も少なくありません。
一方、屋根カバー工法は、撤去作業や廃材の処分が少ないため初期コストが抑えられ、工期も比較的短く済む傾向があります。
短期間で仕上げたい場合や、雨漏りなどがない軽度の劣化に留まっている場合には非常に有効な方法です。
ただし、屋根の下地部分に問題があると、上から新たな屋根をかぶせても十分な耐久性が得られないケースがあります。
そのため、屋根カバー工法を選択する場合でも、専門家による綿密な診断で下地の状態を確認することが不可欠です。
こうした各項目の違いを理解し、自分の家の状況や予算、今後のメンテナンス計画に合わせて最適な工法を選ぶことが大切です。
施工方法選びで失敗しないために押さえておきたいポイント
専門家の診断を受ける重要性
屋根リフォームを検討する際には、まず専門家による屋根診断を受けることが何よりも重要です。
なぜなら、外から見ただけでは分からない下地の腐食や雨漏りの進行度など、目視だけでは把握しきれない内部の問題が潜んでいる可能性があるからです。
専門の屋根診断士やリフォーム業者は、赤外線カメラやドローン、あるいは実際に屋根に上がって細部を確認するなど、多角的な方法で状態を調査してくれます。
この段階で問題点を見落としてしまうと、カバー工法を選択したのに下地の劣化が深刻だったため結局は葺き替えが必要になった、といった二度手間が起こりかねません。
劣化状況に合った適切な工法を選択するためにも、まずはプロの意見を仰いでみるのがベストです。
また、専門家の診断結果を踏まえることで、どの程度の耐久性を求めるべきか、コストとのバランスをどのように考えるかといった具体的なイメージを持ちやすくなるでしょう。
屋根は普段あまり目が行き届かない場所でありながら、家を守る重要な役割を担うパーツです。
知識と経験のある専門家のサポートを得ることで、将来的に後悔のないリフォーム計画を立てることができます。
相見積もりで比較検討するメリット
屋根リフォームに限らず、大きな工事を依頼する際には複数の業者から相見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。
一社だけに見積もりを依頼すると、価格や提案内容が適正かどうか判断しづらい場合がありますが、複数社に問い合わせることで工法の提案や費用、工期、アフターフォローなどを多角的に比べることが可能です。
特に、屋根葺き替えを提案してくる業者と屋根カバー工法を提案してくる業者では、同じ屋根を見ているはずなのになぜ違う判断が下るのか、その理由も分かりやすくなります。
また、業者によっては使用する屋根材や防水紙の品質・ブランドなどが異なるため、その差異を理解して納得のいく決定を下すことが大切です。
相見積もりを行うことで価格競争が働き、費用を抑えられる可能性もあります。
ただし、安さだけに飛びついてしまうと、施工品質に問題があったり、アフターフォローが手薄になったりするリスクもあるため、総合的に判断することが必要です。
最終的には、自宅の状態を正しく診断し、適切な工法を提案してくれる信頼できる業者を選ぶことが、屋根リフォーム成功への近道です。
屋根リフォームを成功させるためのポイント
屋根リフォームを満足度の高いものにするためには、いくつかの重要なポイントを押さえておくことが必要です。
まず第一に、「自宅の屋根の現状を正確に把握する」ことが挙げられます。
既に述べたように、専門家の診断を受けて、屋根の表面だけでなく内部の下地や防水シートの劣化度合いを確認することが大切です。
第二に、「予算と将来のメンテナンスコストを総合的に考慮する」ことです。
一時的な出費を抑えたいのか、それとも長い目で見てメンテナンスの回数を減らすほうが結果的にお得なのか、家族構成やライフプランを踏まえて検討する必要があります。
第三に、「信頼できる施工業者を選ぶ」ことも欠かせません。
業者選びの際には、実績や口コミ、保証内容などをしっかりと確認し、疑問点や不安な点があれば納得いくまで質問してみましょう。
他にも、工事後のアフターフォロー体制が整っているかどうかも大きなチェックポイントです。
屋根リフォームは家全体の耐久性や見た目を左右する大きな工事ですから、情報収集を怠らず、プロのアドバイスを活用しながら慎重に進めることが成功へのカギとなります。
屋根リフォームのチェックポイント
以下のリストでは、屋根リフォームを検討する際に特に気をつけたいポイントをまとめています。そ
れぞれ簡潔な補足説明を添えましたので、参考にしてください。
-
屋根診断を受ける
専門家による診断で、下地の腐食や雨漏りの進行度を正確に把握することが大切です。 -
工法の特徴を理解する
屋根葺き替えと屋根カバー工法のメリット・デメリットを把握して、どちらが自宅に合うか検討しましょう。 -
相見積もりを取る
複数業者から見積もりを取り、価格や提案内容を比較することで納得のいく業者を選びやすくなります。 -
使用する屋根材をチェックする
メーカーや品質によって費用や耐久性、メンテナンスサイクルが異なるため、屋根材の選択は慎重に行いましょう。 -
将来のメンテナンス費用を考える
初期費用だけでなく、長期的なメンテナンスサイクルや費用も見据えて選択すると無駄が減らせます。 -
アフターフォロー体制を確認する
施工後の保証や点検サービスなど、万が一のトラブルに対応してくれるかどうかも重要です。 -
施工実績・口コミを調べる
インターネットや知人の口コミなどを通じ、実績豊富な信頼できる施工業者を見極める材料にしましょう。
まとめ
屋根葺き替えと屋根カバー工法は、それぞれにメリット・デメリットがあり、適したケースが異なります。
深刻な雨漏りや下地の劣化がある場合、そして長期的な安心感を重視する場合には、屋根葺き替えが最適な選択肢です。
一方、軽度の劣化やコストを重視したい場合、また廃材処理費用を抑えたい場合には、屋根カバー工法が有力な選択肢となります。
どちらにしても、まずは専門家による屋根診断を受けることが重要です。
その上で、複数の業者から相見積もりを取り、価格や施工方法、保証内容などを比較検討することで、より納得のいくリフォーム計画を立てやすくなります。
屋根は、家を雨風から守る最前線の部分であり、家全体の耐久性にも大きく影響します。
だからこそ、長期的な視点で見たときにベストな選択ができるよう、しっかり情報を集めて納得いくまで検討してみてください。
屋根リフォームを成功させるためには、コストだけでなく、施工品質やアフターフォロー、将来のメンテナンス費用など多角的に考えることが求められます。
この記事が、その判断材料としてお役に立てれば幸いです。家の屋根を健全な状態に保つことで、日々の暮らしの安心感や快適性も向上し、さらに建物の資産価値を守ることにもつながります。
ぜひ本記事を参考に、自宅の屋根にとって最適な施工方法を選び、満足度の高いリフォームを実現してください。
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